スペイン・バルセロナで開催した OTAKU SUMMIT PREVIEW
2020年6月の OTAKU SUMMIT 2020 開催に先立ち、
スペインのバルセロナで行われたManga Barcelona 25 にて
OTAKU SUMMIT PREVIEW を開催しました。
Manga Barcelona 25 への出展を通して、オタク文化を世界に向けて発信するイベントとなる
OTAKU SUMMIT 2020 のキックオフや概要紹介となるセミナーセッション及びブース展示を行いました。
Manga Barcelona (旧名 Salón del Manga de Barcelona)は、バルセロナで毎年開かれ
来場者数15万人を動員するスペイン最大のアニメ・漫画イベントです。
「Manga Barcelona 25」開催概要
• OTAKU SUMMIT PREVIEW #1 The Road to OTAKU SUMMIT 2020
• OTAKU SUMMIT PREVIEW #2 The Road to OTAKU SUMMIT 2020
Ian Condry
文化人類学者にして米国ボストンにあるマサチューセッツ工科大学(MIT)の比較メディア研究学部で日本文化及びメディアを専門とする教授。
著作である「The Soul of Anime」「Hip-Hop Japan」の2冊は日本語にも翻訳されている。現在の研究は、レコード産業終焉後の音楽及びミュージシャンについて、東京、ボストン、ベルリンの民族誌的比較により調査を行っている。
ハーバード大学で学士号、エール大学で博士号を取得後、2002年よりMITで教鞭をとり、MIT Cool Japan研究プロジェクト(2006年以降)及びMIT Spatial Sound Lab(2019年以降)の創設者でもある。
Paola Scrolavezza
翻訳者兼文学評論家、2014年からボローニャ大学の日本文学准教授を務める。専門分野は、女性文学、近現代日本文学、文学と映画を通じた東京都市空間、ライトノベル、トランスメディリティ。2011年からは、映画、アニメ、マンガのような現代日本の芸術表現にフォーカスして日本の大衆文化振興を目指すプロジェクトであるNipPopのキュレーターにも従事。
モノグラフとエッセイを含む近年の出版物:
Lo schermo scritto. Letteratura e cinema in Giappone (Libreria Editrice Cafoscarina 2012, con M. R. Novielli);
Silhouettes in black: l’ombra del giallo nella scrittura femminile del Giappone contemporaneo (in Japan Pop. Parole, immagini, suoni dal Giappone Contemporaneo, Aracne 2013); Boom du hentai.
Le marché mondialisé du porno japonais à l'ère d'internet (in L'art de l'amour au temps de Geishas, Giunti Editore, 2014);
Kirino Natsuo, The Grotesque Double Life of a Business Woman (in The Poetics of Ageing: Confronting, Resisting, and Transcending Mortality in the Japanese Narrative Arts, «Proceedings of the Association for Japanese Literary Studies», 2015);
Futakuchi otoko: stage performance and text performativity (in Am Scheideweg der Sprachen. Die poetischen Migrationen von Yoko Tawada, Stauffenberg Verlag GmbH, 2016).
古市 雅子 / Masako Furuichi
北京大学外国語学院日本言語文化系副教授。文学博士。東京生まれ。日本の高校を卒業後、1996年から単身北京大学中文系に留学。学部、修士を経て2008年北京大学中文系比較文学与世界文学専攻博士課程卒業。卒業と同時に北京大学にて教鞭をとる。北京大学外国語学院明治大学マンガ図書館分館館長。主な著書に『満映電影研究』(中国九州出版社)、論文に「中国で“動漫”になった日本アニメ」(『外交』都市出版2018年9月)など。
中村 伊知哉 / Ichiya Nakamura
1984年ロックバンド「少年ナイフ」のディレクターを経て郵政省入省。通信・放送 融合政策、インターネット政策を政府で最初に担当するが、橋本行革で省庁再編に携わったのを最後に退官し渡米。1998年 MITメディアラボ客員教授。2002年スタンフォード日本センター研究所長。2006年より慶應義塾大学教授。著書に『コンテンツと国家戦略~ソフトパワーと日本再興~』(角川EpuB選書)、『中村伊知哉の 「新世紀ITビジネス進化論」』(ディスカヴァー携書)、『デジタルサイネージ戦略』(アスキー・メディアワークス、 共著)など。
OTAKU SUMMIT PREVIEWレポート
2019年10月31日から11月3日までスペインのバルセロナで開催された「Manga Barcelona 25」。企業やアーティストによるブース出展、ステージによるライブやコンクール、コスプレはもちろん、東京2020オリンピック・パラリンピックを見据えた柔道・空手といった武道・スポーツ、日本語、日本食をテーマにした多彩な展示やワークショップが開催され、日本文化のファンたちによって単なるアニメやマンガのコンベンションイベントに留まらない熱気に包まれていました。そうした会場内で、「I.O.E.A - OTAKU SUMMIT」ブースでは、「OTAKU SUMMIT PREVIEW」としてポスター展示やオリジナルグッズを配布。またステージではセミナーセッションを行うことで、東京2020公認文化オリンピアードである「OTAKU SUMMIT 2020」のPRを行い、国籍を問わず多くの方に興味を持っていただくことができました。
Eventos Otaku Mundiales y Cultura Otaku
(オタク文化と世界のイベント)
1日目のセッションでは、世界のオタクイベントを開催する団体の代表が登壇し、各イベントの紹介も含めプレゼンテーションを行い、各イベントの内容や参加者の傾向などが発表されました。
また、プレゼンテーションの後のトークセッションでは、「参加者が各イベントに求めるもの」「各イベントが日本に求めるもの」というテーマに沿ってディスカッションを行い、各イベントの特徴や国によって異なる点を再認識する機会となりました。
-登壇イベント団体
• Otakon(アメリカ、ワシントンD.C.)
• Sakuracon(アメリカ、シアトル)
• ACGHK(香港)
• Romics(イタリア、ローマ)
• コミックマーケット(日本、東京)
• Manga Barcelona(スペイン、バルセロナ)
Sesión académica – El pasado, presente y futuro de la cultura otaku
(学者セッション:オタク文化の過去、現在、未来)
2日目のセッションでは、オタク文化を研究する世界の大学の先生にお越しいただき、ご自分の研究内容についてのプレゼンテーションを行っていただきました。
アメリカ、ヨーロッパ、アジア、日本の各地域の先生による講演により、日本のオタク文化が各国でどのように受け入れられているかについて説明されました。
また、プレゼンテーションに引き続き、各先生によるトークセッションでは「オタク文化とは何か」「オタクの未来」というテーマでディスカッションを行い、オタク文化へ造詣を深めるとともに、来年のOTAKU SUMMITに向けて改めて議論すべき内容などが行われました。
-登壇者(敬称略)
• Ian Condry(マサチューセッツ工科大学)
• Paola Scrolavezza(ボローニャ大学)
• 古市 雅子(北京大学)
• 中村伊知哉(慶応大学)
OTAKU SUMMIT 2020に向けて
最後に、来年のOTAKU SUMMIT 2020にて、日本・豊島区池袋に集まることを誓い、OTAKU SUMMIT PREVIEWは無事閉会となりました!